『花』
ジャンルを超え 世代を超え

2016年2月26日。13曲の課題曲のレコーディングも残すところあと5曲。
この日は課題曲アーティストの中で最も若いMILLEAがしっとりとしたバラードを歌うということでスタッフにはいつもとは違った緊張感があった。それはこの作品が持つ独特の雰囲気からくるものだったかも知れない。
作詞のSatomiさんは、独創的な言葉のセンスで書かれた「雪の華」(中島美嘉)、古典的な言葉を使った「月のしずく」(RUI/柴咲コウ)に象徴されるように、歌詞に世界観を色濃く表現する独創的な作家。人の命という永遠のテーマを「花」にたとえたこの詞の世界観、それに寄り添うように矢吹香那さんが曲をつけてくださった作品、MILLEAがどのように表現するのか、それがとても楽しみであった。
初めて彼女のCDを聴いたときは、若々しくさわやかな雰囲気がするボーカリストという印象であった。この作品は、この雰囲気を保ちつつ彼女なりのセンスでしっとりと歌って欲しいと思っていた。
杉山さん(編曲者:杉山直樹さん)のアレンジも当初いろいろアイデアを入れ込んで試行錯誤していたが、最終的に、オーソドックスでシンプルな3連バラードで、ピアノのアコースティック感を前面に出して、歌をじっくりと聴いてもらおうというものに到達した。

花MILLEA

2~3テイク録ってみた。なかなかいい。彼女は相当練習してきた様子。
「花は色づき」の導入部もしっとり感が良く出ている。このアーティストの持つ声の温かさは武器である。しかし、もう少し心が伝わるものが欲しい・・・。その瞬間、
「MILLEA、とてもうまく歌っていて、歌詞も良く伝わってくるんだけど、そんなにうまく歌おうとしなくていいから、もう少し力抜いて、この歌詞の中に自分をゆったり溶け込ましてみたら?」
と、事務所の社長のアドバイス。鋭い! だが、力の抜き方も難しいのである。
「この作品の世界観がどこかなんだよね」 そう言って何テイクも重ねながら、彼女なりにその世界を作り上げていく。
すると、「笑いながら泣きながら」 「人は熟して魂結び」のフレーズで、歌がさりげなく、それでいて優しさと哀愁感が滲み出てきた。MILLEAの「花」が出来上がっていったのである。

ポップスとか歌謡曲とかのジャンルを超えたこの作品を、世代を超えて多くの人に聴いてそして歌って欲しい、心からそう願う。

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2016年2月26日 STUDIO ARNEST

レコーディング映像

 

試聴

 

作詞:Satomi/作曲:矢吹香那/編曲:杉山直樹/歌唱:MILLEA

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